【環境に良くて汚れにくい外壁を作るなら!外壁塗料の選び方】

今回は【環境に良くて汚れにくい外壁を作るなら!外壁塗料の選び方】についてです。


わが家を「どんな色で塗るか」も大切ですが、「どの塗料で塗るか」はそれ以上に大切 なことです。


ただ、これがすごく難しいのです。


長年塗装工事をしてきたプロでさえ塗料選びには苦労します。


塗料が成分によって主に4種類に分けられることはお話ししました。


アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素の4つです。


しかしその4種類の中にそれぞれ溶剤タイプと水性タイプがあり、また硬質タイプと弾性タイプがあり、さらに薄塗りタイプと厚塗りタイプがあります。


それ以外にも、低汚染性・防カビ性・防藻性・透湿性・断熱性などの性能も考えて分類し始めると、キリがありません。


このように多種多様の塗料が数十社の塗料メーカーから発売されているので、塗料の種類は無限にあります。


その中からわが家を塗る塗料を一つに絞り込むのは難しく、結局、業者が勧めるとおりの塗料で塗ることになります。


業者が正しいアドバイスをしてくれるならいいのですが、悪徳業者のセールストークに騙されないように、ここでは塗料を選ぶ基準をお話しします。


塗料を選ぶ基準は4つあります。


1耐久性

2価格

3環境適応性

4防汚性


この4つを総合的に考えて塗料を選ぶことが大切です。


耐久性と価格については前の記事でお話ししましたので、まずは3環境適応性について話します。


環境適応性とは環境対策のことです。


いくら耐久性の高い塗料であっても、臭いがひどく体に有害な塗料では安心して家に住めません。


塗料は缶に入っているものをそのまま使って塗るわけではありません。


塗りやすくするために溶剤を混ぜて塗ります。


溶剤とは簡単に言えばシンナーのことです。


シンナーで薄めて塗る塗料を「溶剤タイプ」と呼びます。


最近は環境対策で溶剤タイプより水で薄める「水性タイプ」が多くなりました。


水性タイプはシンナーを使わないので臭いもあまり気になりません。


「水性」と聞くと何となくひ弱そうで心細い気がしますが、耐久性についてはまったく心配いりません。


ただ溶剤タイプに比べると、耐久性はわずかに下回るように思われます。


そこで最近増えてきたのが「弱溶剤タイプ」です。


カタログには「NAD型塗料」とも書かれていますが、簡単に言えば溶剤タイプの耐久性と水性タイプの環境性をくっつけたものです。


溶剤タイプには変わりないので、水生タイプほどの環境性は併せ持っていません。


「環境適応性」についてはこのくらいの知識があれば十分だと思います。


次に4防汚性について考えてみましょう。


防汚性とは汚れの付きにくさのことです。


外壁の汚れの原因は電気と油です。


子供の頃、下敷きを髪の毛にこすり付けて遊んだことがあると思います。


合成樹脂で出来ている下敷きは摩擦するとすぐに静電気を帯びます。


実は塗料にも同じことが言えます。


塗料も下敷きと一緒で合成樹脂で出来ているので、塗膜に風が吹きつけることによって摩擦が生じるのです。


そうすると塗膜表面に静電気が発生します。


この静電気が周りに浮遊するホコリを吸い寄せてしまうのです。


しかもホコリを一度吸い寄せるとなかなか手放そうとしません。


塗膜自体がホコリを付着させる性質を持っているのです。


最近は各メーカーから「低帯電性」の性能を持つ塗料が発売されています。


静電気を発生させにくく、また静電気が発生したとしてもすぐに消滅してしまうという性能です。


この「低帯電性」により汚れが付きにくくなるのです。


今度は油の話です。


電気は汚れを吸い寄せる「力」ですが、油は「汚れそのもの」です。


そもそも外壁の汚れの源は車の排気ガスや工場の煙、家庭の換気扇から出る煙などです。


社会が生み出す汚れなので「社会的汚染」と呼びますが、どの汚れも油性です。


塗料も合成樹脂なので油性です。


そうすると塗膜と汚れとが油性同士で合体してしまうのです。


それに油は水を弾きます。


当然、塗膜も雨水を弾いてしまうので雨水によって汚れが洗い流されることはありません。


だから逆に汚れを付きにくくするには塗膜を親水性にすればいいわけです。


前回の記事でセラミック塗料を紹介しましたが、塗膜表面が全部親水性になるわけではないので、その効果は未知数であるとお話ししました。


しかし、実は本格的な親水性の塗膜をつくる塗料も発売されています。


国内の建築塗料で半分以上のシェアを誇る「エスケー化研」というメーカーの塗料でいえば、


セラミック塗料のカタログには普通「セラミック入り」とか「セラミック配合」と表示されていますが、


このメーカーのカタログには「セラミック複合」と書かれています。


ちょっとした言葉の違いですが仕組みはまったく異なります。


「セラミック複合」は塗料の中にセラミック成分が含まれているだけでなく、硬化する過程でセラミック成分を塗膜の表面に浮き上がらせて、


完全に硬化するとガラスのような親水性の塗膜を作ります。


塗料は油性ですが塗膜の表面が「親水性」で水になじむため油をはじくのです。


つまり水と油が混ざり合わないのと同じ理屈で、「塗膜」と「汚れ」がお互いにしりぞけ合うのです。


さらに汚れが付いたとしても塗膜が水になじむので、雨水が塗膜にくっつきたがって汚れの下に潜り込もうとします。


雨水が汚れをすくいとって流し落としてくれるのです。


雨が降るたびに雨水が汚れをすすいでくれるというわけです。


また塗膜表面が親水性なので風が吹いても静電気が起こりにくくなります。


これらのメカニズムにより汚れが付きにくくなるのです。


だから「汚れの付きにくさ」を重視するなら価格も大して変わらないので、普通のセラミック入り塗料よりもこのセラミック複合塗料をお勧めします。


しかし、これはあくまでも塗料メーカー「エスケー化研」の商品に限定した話しです。


他にもたくさんの優秀な塗料メーカーがありますので、工事業者の話しも聞いてみると良いでしょう。



愛知県一宮市を拠点に、愛知・岐阜・三重のエリアで塗装や内装、水回りのリフォーム、原状回復工事を承っています。


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